とあるWeb会社の記事にコピペ改変疑惑
株式会社プレイウィズという会社がある。
創立は2006年11月、事業内容は
「WEB企画と戦略」
「WEBメディアの運営」
「EC事業」
「映像メディアの運営、制作」
「クリエイティブの創出」
とある。
取引・企画提案実績として、「グーグル株式会社」「株式会社講談社」「ソフトバンク株式会社」「ヤフー株式会社」他 総計1300社以上とあるから、なかなかすごい。
この会社HPに投稿されているある記事を見ていて、違和感を持ったのがこの記事を書いたきっかけになる。
ある記事とは、以下の2014年08月05日に投稿された記事だ。ブクマも10ついている。
この記事を読んで、
「同じ記事を別のページで見たような・・・」と思って確認してみた。
すると、以下の2014年03月11日投稿の記事が見つかった。
株式会社ギャプライズによるHPの記事だ。こちらの方が古い。
記事タイトルはそれぞれ
「新人Webデザイナーにありがちな5つのコミュニケーショントラブルとその解消法」
「webデザイナー(ディレクター)に読んで欲しい!いいサイトを作る為のコミュニケーション術」
と違う内容であるかのように見えるが、実際はどうだろうか。
以下、古い方の記事を上に、新しい方の記事(コピペ疑惑の記事)を下にして比較していく。
冒頭
■被害側
「イメージしてたデザインと全然違う」
「これじゃ売れる気がしないんだけど」
「ちゃんと頭使って考えてんの?」
突然ですが、あなたは日常的にこんなことを言われていませんか?
■コピペ側
「イメージしてたデザインなんか違うんだよね」
「これじゃ全然売れる気がしないんだけど、大丈夫なの?」
「これちゃんと考えてやった?」
もしかして、あなたは日常的にこんなことを言われていませんか?
冒頭からこれである。
下側は、細かく言い回しを変えているが文の構造は全く同じである。
思わず「これちゃんと考えてやった?」と聞きたくなる。
1つめの項目
■被害側
1.「イイ感じ」などの曖昧な指示を真に受けてしまう
あなたは、ディレクターから普段こんな風に指示を受けていませんか?
「方向性はだいたいこんな感じで」
「イイ感じに仕上げといて」
「キミのセンスにまかせるわ」このような曖昧な指示を「はい分かりました」と真に受けてしまうと、アウトプットが的外れなものになりやすくなります。
■コピペ側
1:一度は言われる「イイ感じにお願い」を真に受けない
もしかしたら、こんな風に指示を受けている事がありませんか?
「だいたいこんな感じの方向性で」
「イイ感じに仕上げてくれると期待してる!」
「キミのセンスを信じる」
このような曖昧な指示を「分かりました!」と真に受けてしまうと、アウトプットが的外れなものになりやすくなります。。。
1つめのアドバイス内容、ほぼ同じ。
ちなみに、他の部分も基本的にはほぼ同じである。
2つめの項目
■被害側
2.キーワードが持つ「イメージ」のズレを放置している
ある日クライアントから
「さわやかなデザインにしたい」
という依頼をもらったら、あなたはどうしますか?
もしあなたがこの指示を真に受けて「さわやかって何だろう・・・」と悶々と考え込んだり、または「これがさわやかだ!」と独りで突っ走ってしまうタイプなら “要注意” です。
■コピペ側
2.キーワードの「イメージ」がズレている?
「さわやかなデザインがいいですね〜」という依頼をもらったらどうしますか?
もしこの指示を受けて「さわやかって何だろう・・・」と悶々と考え込んだり、「これがさわやかに違いない!」と降臨したアイディアにニヤリと笑い、独りで突っ走ってしまうタイプなら “要注意” です。
2つ目も全く同じ。文章の細部を変える努力が涙ぐましいが、元ネタがバレバレなので凄く虚しい。
3つ目の項目
■被害側
3. 参考サイトを見るポイントがディレクターとズレている
デザインカンプを提出した際に、
「はじめに見せた参考サイトと全然違うんだけど」
こう言われたことはありませんか?
このトラブルは、参考サイトを見る際のお互いの「見ているポイント」がズレたときに発生します。
■コピペ側
3. 参考サイトの見るポイントが全然違う
デザインのラフなどを提出した際に、「参考サイトと全然違うんだけど、どこを参考にしたの?」
こう言われたことはありませんか?
これは参考サイトを見る際にお互いの「見ているポイント」がズレたときに発生します。
もう言うまでも無い。
ちなみにこの後の箇所で、被害者側の記事では実際のサイトを例に説明を行っているが、コピペ側では面倒だったのだろうか、そのあたりは省略されている。
残り
もう例示する必要もないだろうから、改変した結果矛盾した箇所だけ抜粋する。
■被害側
ここで重要なのは、例えば指示を出したディレクターが
「これ今日の何時くらいまでにいけそう?」
と聞いてきたときに、バッファ込みの期限をはじめから伝えておくことです。
具体的には、例えば現在時刻が14時で、完了予想時間が2時間だった場合、
「そうですねー、17時までには終わると思います」
という風に、さもはじめから3時間かかるかのように伝えます。
■コピペ側
ここで大事なのは、指示を出したディレクターが
「これ今日の何時くらいまでにいけそう?」
と聞いてきたときに、『幅込み』の期限をはじめから伝えておく事です。
例えば現在時刻が15時で、予想時間が2時間後だった場合、「17時までには終わると思います。」
という風に、さも3時間はかかるかのように伝えます(笑)
元の文章では14時から3時間とって17時と言っているのに、コピペ側では14時を15時に改変したせいで、文章が意味不明になっている。
せめて「さも3時間はかかるかのように伝え」て欲しかった・・・。
結論
さて、はっきりとした事情を知らないため、記事タイトルは一応「疑惑」としているが、特別な事情が無い限り、これは明らかに文章のコピペ改変ではないだろうか。
サイトを見る限り、関連会社でもなさそう。
酷いことに、「webデザイナー ディレクター」等でググると、コピペ改変側が上位に来るようだ。
ちなみに
このコピペ改変疑惑がる株式会社プレイウィズは、サイトのヘッダー画像に
「行儀よく真面目なんてクソくらえ」と記載しており、会社の標語にしているようだ。
この標語を見ると、今回の件も会社の思想通りだから問題ないのかもしれない・・・。
以上。
netgeekのゲーム実況者「ただてる」ディスり記事が酷い件
netgeekといえば、バイラルメディアとして認知度が高い。
ネットユーザーの心をくすぐる記事が多いが、それとともに的はずれな内容の記事で批判も多い。
(以下参考例)
【悲報】バイラルメディア界に激震! 非クソバイラルメディア『netgeek』の Googleアドセンスが配信停止中! - この世の果てブログ
netgeekがホットペッパーに関するデマをばらまく!? - Hagex-day info
クソバイラルメディアのnetgeek、またデマを振りまき「そんなに金が欲しければ乞食でもすればいいのに」と言われる - 今日も得る物なしZ
そんなnetgeekだが、今回はゲーム実況者にターゲットを決めたようだ。
【悲報】ニコ生ゲーム実況者が任天堂からステマ依頼を受けたとうっかり口を滑らせる | netgeek
【悲報】ニコ生ゲーム実況者が任天堂からステマ依頼を受けたとうっかり口を滑らせる
と2chのスレタイ的記事タイトルで煽り、ネットユーザーのアクセスを稼ぐいつものパターンだが、内容はお粗末だ。
まず、今回の件でターゲットになっているゲーム実況者「ただてる」氏は、「うっかり」口を滑らせたのでは決してない。
Twitterの投稿は非常に冷静なものだ。
今回はまさかの任天堂からの直接依頼による公式実況です。レゴシティの3DS版をやらせていただきました。
— ただてる (@Tadateru00) 2015, 3月 2
また、該当の動画説明にも公式実況である件を明記している。
レゴシティ番外編 チェイスビギンズ【実況】part1 ‐ ニコニコ動画:GINZA
上記説明にもある通り、発売前のゲームをプレイしている点でも公式であることを隠す気は全く感じられない。
(「レゴ®シティ アンダーカバー チェイス ビギンズ」は2015/3/5発売なのでフラゲができる可能性はあるが)
どう見ても「うっかり口を滑らせ」てなどいないのだが、アクセス数を稼ぐためなら事実無根の煽りタイトルなどなんとも思わないのだろう。
これだけでも酷いが、そもそも公式依頼を明かした時点で「ステルスマーケティング」でも何でもない。むしろ公式依頼を隠したらステマになるだろう。
ステマという言葉すらまともに使えていないのはいかがなものか。
記事中では
このような裏の取引があることが判明し、純粋にゲーム実況を楽しんで視聴していた者達は自分が広告宣伝活動に利用されていただけと気づいて大変なショックを受けた。
などと言っているが、ニコニコ動画の人気実況者で、企業公認によって実況を行った例は過去にいくつもある。
■ TOZAI GAMES公認
【スペランカー】あのゲームに4人衆が番組風に実況! Part1【通信】 ‐ ニコニコ動画:GINZA
■サイバーフロント公認
一番有名なのは、「訛り実況」で知られる「キリン」氏だろうか。
公式実況プレイ動画のまとめが以下に記載されている。
訛り実況とは (ナマリジッキョウとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
「アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団」、「3Dドットゲームヒーローズ」、「うみねこのなく頃に-魔女と推理の輪舞曲- 」などなど、 公式実況をしているゲームのがかなりの数に及んでいることがわかる。
こうした公式実況は実況動画を見ていればときどき目にするため、ゲーム実況を好んで見ている層は大抵認知している。
以上が全く把握できていない点で、netgeekはメディアとしてすべき仕事を完全に放棄していることがわかる。
なんだか、ネタにマジレスしたかのような虚しさが無くもない。
とにかく、netgeekについては煽り体質なのはもう諦めるとして、せめて明らかに事実と異なることを記事にするのはやめてもらいたいものだ。
以上。
男女平等問題を「腕力」で例える誤りについて
下記のツイートが話題になっている。
健全な男女平等以前に、まず社会ってのは「殴りっこして勝ったやつが総取り」なわけで、女性は「後ろで見とってええで。取ってきたるから。そのかわり戦利品に文句言うなよ」なのな。そこに参入しようってんだから、そら「殴られてもええんよね?」になるわな
— まっくろなねこ (@blackcat009) 2015, 2月 24
ブクマコメントでは叩かれ放題のこのつぶやきだが、ではなぜこのつぶやきに問題があるか。
意外に指摘されていない点があったので書いてみる。
「殴りっこして勝ったやつが総取り」の誤謬
このツイート主は、社会は「殴りっこして勝ったやつが総取り」と主張している。これは過去の社会にあったとホッブズのリヴァイアサンで主張されるような「万人の万人に対する闘争」状態をイメージしているのだろうが、とはいえあくまで比喩のつもりだろう。
つまり、ある種の社会的地位や実力のことを「殴りっこ」による勝者という形で例えていることになる。
しかし、この例えは少なくとも男女平等の話の例えとしては致命的な問題点を含んでいる。
「腕力」という力を「社会的能力」の比喩として使うことになり、女性の能力を不当に貶めることになるからだ。
社会的性差と身体的性差
腕力において男性が女性に勝ることは言うまでもない。
個々では男性に勝る女性もいる。しかし、オリンピックの結果を見ても、他の種々の調査を見ても平均として女性の腕力が劣ることは誰しも認めるところであろう。
これはいわゆるジェンダーとしての性差(社会的性差)ではなく、身体的な性差にあたる。
そして、男女平等とは、身体的な性差を無くすのでなく、社会的性差を無くすという理念である。
しかし、この区別がついていない人も数多い。
男性優位の思想
「腕力」を「社会的能力」の比喩として使うことは、男性が女性よりも優れていると連想させる効果を持っている。
「腕力」は男性のほうが強いのだから、女性は「男女平等」の社会では男性に太刀打ちできない。
だから、「男女平等」の社会では女性は不幸になる。
そんなロジックがツイート主にあるからこそ、
女性は「後ろで見とってええで。取ってきたるから。そのかわり戦利品に文句言うなよ」なのな。そこに参入しようってんだから、そら「殴られてもええんよね?」
という発言につながる。
女性は男性と争っても勝てないのだから、男性同士の「代理戦争」に人生を託し、自分はパートナーの男性が得た成果のおこぼれを頂戴するのが最も幸せなのだと。
このロジックに本人は疑問を感じないだろうが、それは無自覚的に男女の身体的性差である「腕力」を比喩として使った結果なのだ。
奴隷制度肯定論
古代ギリシャでは、通常の「市民」の多くは奴隷を持っていた。
奴隷とは、主人である「市民」に逆らうことは許されず、主人が許した範囲の人権のみを持つ存在だ。
当時の「市民」たちは奴隷についてどう理解していたか。
「彼らはまともな社会的生活を送るための頭脳を先天的に持ち合わせていないから、私たちが保護して生かしてあげる必要があるし、彼らにとってもそれが幸せなのだ」
と一般的に思われていたらしい。
この発想は、今回のツイート主と驚くほど類似している。
自己正当化の論理はいつでも似かよるものなのだろう。
男女平等以前の問題として
男女平等という理念を達成することはかなりの困難を極めることは間違いない。
厳密な社会的平等は難しいかもしれない。
しかし、そもそもの話の土台として、現代の社会は決して「男性が身体的に優位」である腕力や暴力によって「社会的地位」や「社会的価値」が決まるわけではないことは確認しておこう。
ネット上ではフェミニスト嫌いが多く、また私もフェミニストの議論に首を傾げることも多々ある。
それでも最低限、「身体的性差」と「社会的性差(ジェンダー)」の違いくらいは理解した上で議論ができるようになってもらいたいものだ。
以上。
いわゆる「イスラム国」の呼び名はISでもISISでもISILでもなく「ダーイッシュ」が一番ベストである理由
過激派組織「イスラム国」について、報道上の呼び名をどうするかの議論が喧しい。
イスラム教徒やイスラム系国家への風評被害が大きく懸念されるからだ。
そんな勘違いをする人はいないという意見もあるようだが、実際のところ、ニュースを深追いせずに聞きかじりで判断する人というのは数多い。
その人たちの中には「イスラム教」「イスラム国家」って危ない、というイメージが醸成される点は十分懸念されるだろう。
トルコ国営放送も呼び名の変更をお願いしている。
Türkiye Cumhuriyeti Tokyo Büyükelçiliği
そこで、呼び名は変えるべきという前提に立って、いくつかの候補の中から何が報道用語としてベストか考えてみた。
ちなみに、NHKは「過激派組織IS=イスラミックステート」に言い換えることを表明したが、こちらについても検討する。
候補1:IS or 過激派組織IS=イスラミックステート
「イスラム国」を英語で言い換えるとこちらになる(Islamic Stateの略)。現在の「イスラム国の主張を汲んでいるあたりがあまりいいとは言えない。
NHKの新呼称はこちらに近いが、「過激派組織IS=イスラミックステート」と記事ごとに記述するのはいかにも煩雑で、他の報道と足並みが揃う感じがしない。
報道によって呼び名が異なることは、物事が過剰に複雑化するのであまり好ましくはないだろう。
候補2:ISIS or ISIL
こちらは、「イスラム国」が以前名乗っていた呼び名を英語表記したもの。
こちらは現在の「イスラム国」の主張を認めないというニュアンスがあるが、過去に本人たちが名乗っていたことからも、本質的には「イスラム国」が主張する呼び名そのままでISとそう違いはない。
個人的にはネットではISISが多く使われてきたこともありなじみがある。
ただし、これはISも同様なのだが、報道で使うには致命的な問題がある。
報道では「アルファベットの略称」は基本的に使えないのだ。
正確には、最初に正式名で呼んだあとに略称なら可能なのだが、いきなり略称はできない(見出しに略称は可能だが、結局本文で正式名を補足している)。
NASAなら誰でも知っているだろうが、それでも正式名は書く必要がある。
木星:3衛星の同時横断を撮影 NASAが画像公開 - 毎日新聞
この毎日新聞の記事でも、本文では「米航空宇宙局(NASA)」と、日本語の正式名を入れている。
これは、アルファベットの略称のみでは記事を読んでも分からない人がいる恐れがあることから行われているため、基本的には止めることは難しい。
現実的な話として、高齢者を中心に、アルファベットの呼称は脳が受け付けないような人は多いものだ。
よって、アルファベットのみの呼称は報道では困難である。
NHKが「過激派組織IS=イスラミックステート」としたのも、結局はアルファベットだけの呼称ができないので、イスラミックステートという補足を入れたものだ。
候補3 イスイス団
ISISを「イスイス」と呼び、最後に「団」をつけることで茶化した形の呼称。
ネットで使いたい人が使うにはいいが・・・。いかにもネットスラングという感じで、報道で使うことは非現実的だろう。
候補4 ダーイッシュ
「イスラム国」をアラビア語で読んだときの略称をベースとした語。
私としてはこれが一番良いと思っている。なぜならアルファベットでないからだ。
ダーイッシュではわかりづらいという意見もあるかもしれないが、そもそも組織名なんてものは分かりやすいものではない。
「タリバン」「アルカイダ」「ボコ・ハラム」なども私にはどういう意味の名前かわかっていないが、報道では特に問題なく使われている。
アルファベットのときのように和名を補足する必要もない。
さらに、この呼称は「イスラム国」からしても呼ばれたくない呼び方らしいので、テロ組織への呼称としては優れているだろう。
こちらによると、アメリカ軍とフランス政府も「ダーイッシュ」に呼称を変更したとのこと。
「イスラム国」という名称の変更を希望します | お知らせ | 宗教法人 名古屋モスク
ダーイッシュであれば、NHKのように長ったらしいことを書く必要もないし、イスラムのイメージを損なうこともないだろう。
マスコミの方々、最初は浸透していないということで補足など必要となるにしても、切り替えていくならダーイッシュが一番使いやすいと思うのでお願いしたい。
以上。
Amazonに、アプリ内検索でのみ表示される本がある謎について
Amazonを愛用して本をよく買っている。
しかし、検索した際に、Amazonのデータベース上にはあるのにも関わらず検索結果に表示されない本があることに気がついた。
有栖川有栖の「双頭の悪魔」
例えば、有栖川有栖の「双頭の悪魔」という作品がある。
これを、Amazonで検索すると、一見したところ、文庫版しか存在しないかのように見える。
しかし、実際は文庫版の他に東京創元社の単行本版が存在し、ちゃんと個別のページもある。タイトルは「双頭の悪魔(黄金の13)」となっている。
Amazon.co.jp: 双頭の悪魔 (黄金の13): 有栖川 有栖: 本
このページは私が調べた限り、「双頭の悪魔」で検索しても、「双頭の悪魔 黄金の13」で検索しても、「双頭の悪魔 東京創元社」で検索しても検索結果には出てこない。
唯一のアクセス手段は、まず双頭の悪魔の文庫版ページに行き、書影画像の右側にある「Kindle版」「単行本」「文庫」の欄より「単行本」を選ぶことだけだ。
基本的に、同じ名前の書籍は発売が新しいもののみ検索結果に表示され、同名の過去の書籍はこのようにして隠れる仕組みのようだ。
このことを知った時はわかりづらいとは思ったが、仕組みさえ理解できれば問題ないかとスルーしていた。
しかし本日、上記より酷い事例に遭遇した。
ジェイムズ・エルロイの「ホワイト・ジャズ」
ジェイムズ・エルロイの「ホワイト・ジャズ」という作品がある。
この作品をAmazonで検索すると、文春文庫の2014年発売バージョンのみ表示される。しかし、この作品はすでに高い評価を得て、「ホワイト・ジャズ文体」なる文体を模倣した作家も登場している作品であり、当然ながら去年に発売した作品ではない。つまり、検索に出ているのは改訂版や新訳版等と考えられる。
すでに双頭の悪魔などで学んだ経験があったため、まずは作品ページに飛んで、リンクから過去のバージョンを参照しようと思った。
しかし・・・
Amazon.co.jp: ホワイト・ジャズ (文春文庫): ジェイムズ エルロイ, James Ellroy, 佐々田 雅子: 本
双頭の悪魔のケースとは違い、「文庫」の表記がひとつのみ。
ならばと、「すべての フォーマットおよびエディションを表示する」を選んで選択してみるが、やはり一種類しかない。
ここまで来ると、過去のバージョンはAmazonには置いていないだけだという結論になりそうだ。それなら表示されないのは当然で、納得がいく。
しかし、事態はより複雑だった。
アプリで検索してみると・・・
試しに、iOSのAmazonアプリで「ホワイト・ジャズ」と検索してみた。
すると何故か、1999年発売バージョンのホワイト・ジャズが検索結果に表示されるではないか。
こちらも文春文庫だが、表紙も異なるし発売年数が15年もズレている紛れも無く別の本だ。
つまり、ブラウザでの検索では検索結果にも、商品ページからのリンクからも引っかからない商品が、アプリでの検索では引っかかるということになる。
理由が分からない
なぜ、こんな設計になっているのだろうか。
双頭の悪魔にしても、実はアプリで検索した場合は単行本バージョンも表示される。
つまり、少なくとも個人的にはアプリ版のほうが便利だ。
アプリ版の普及を促すためにWeb版を不便にしている?そんな馬鹿な。
単なるAmazonのミスなのだろうか。
理由について誰か言及していないかと調べていたが、そもそもこの問題について触れている記事が見つからなかったので、誰か詳しい人がいたら教えて欲しくてこの記事を書いた。
個人的にかなり使いづらいんで、改善して欲しいなー。
何かご存知の方は教えて下さい。
ライトノベルが馬鹿にされがちな本当の理由
ライトノベル論に参加してみる。
タイトルは若干釣り気味かも。
ライトノベルが馬鹿にされがちな三つの理由 - WINDBIRD
id:kazenotori さんは、ライトノベルが馬鹿にされがちな理由として、主に漫画と対比させて「漫画に比べた多様性の低さ」「ライトという名前のイメージ」「ラノベの規模感の不理解」の3つをあげている。
これはこれで妥当な点もあるが、あくまでラノベを知らない人視点から見た批判を挙げているように思える。
ライトノベルのジャンル特性による、ラノベ以外の小説(一般小説と呼称する)と比べたときの批判が記載されていない点が片手落ちだと思うので、書いていく。
ちなみに、筆者は漫画もラノベも一般小説もそこそこ読んでいる。
ラノベも面白いものが多くあることも知っている上で書く。
また、私が話すラノベの範囲として「そこそこ知られている作品」「男性向け作品」に絞って、作品傾向について話す。
理由1「ハーレムものが多すぎる」
現代の流行っているライトノベルは、大半がこれに準ずる。
男キャラは主人公、主人公の男友達(1~2名くらいが多い)、主人公の敵くらいがせいぜいで、後は女キャラばかり出てくるラノベの多いこと多いこと。
シリアス系の作品ではややマシになるが、それでも女キャラの方が多数であることが多いし、たいていはヒロインたちに比べると男の影は薄い。
それだけならまだいいが、大抵は登場するヒロインたちは主人公に好意を持っている。ヘタすると出てくる主要な女性全員が主人公に好意を持っていることもザラにある。
ラノベの面白いところとして、あまりにも上記の作品が多いために、明らかに主人公に好意を持っているかのように記述していたキャラクターが、実は主人公を殺すために好意をあるフリをして油断させていた、なんて意表をつくパターンもあったりする。
とはいえ、殆どは実際に好意を持っているだけのパターンだ。
一般小説でもハーレムを形成している作品が無いわけではないが、全体の中ではわずかに過ぎない。
しかし、ラノベでは全てのジャンル(ラブコメ、ギャグ、ミステリ、SF問わず)
でハーレム構造の作品が散見される。
理由2「ヒロインが媚びすぎ」
上記のハーレムものが多い問題とも絡んでいるが、ヒロインがあざとい作品は多い。
ツンデレがテンプレ化した影響もあり、「あんたのためにやったんじゃないんだからね!」といった表現も増えた。
また、主人公がほかのヒロインとちょっと仲良くしたら、あからさまに嫉妬する描写がなされることも多い。
これはギャルゲの影響もありそうだが、現実的でないかわいらしい口癖を持ったヒロインが出る作品も結構ある。
一般小説と読み比べた際に一番気になるのは、ヒロインたちの人気を高めようという努力の結果生まれたであろう、媚びすぎなヒロインたちである。
本音で言えば、ラノベのヒロインに慣れると、一般小説のヒロインの描写ではあまり満足できなくなる。
理由3「キャラクターが子供ばかり」
これについては、漫画(特に少年漫画)と比べたときには気づきにくい。
だが、一般小説と比較すれば一目瞭然。大人が主人公のラノベは非常に少ないし、あったとしても精神的には子供だったり、ぎりぎり大人である20代前半であることが殆どである。
また、主人公が子供でも大人が活躍する作品も多いという反論がありそうだが、ラノベにおいて登場する大人は、「子供から見た大人」という側面が強く、大人社会独特の悩みは殆ど描写されない(「なれる!SE」など、例外が無いではないが)。
「ライト」ノベルだから問題ないという反論もありそうだが、一般的にラノベとは「軽く読める」あるいは「内容が軽い」という定義で語られることが多く、案外この点が指摘されることは少ない。
このあたりは一般小説と比較して「子供向け」と言われてしまう必然性があるところだろう。
「ライトノベル」が本質的に大人社会を描けないのであれば、ライトノベルが「大人たち」から下に見られ続ける構造はそう覆せないと思う。
なぜなら、よく昔は見下されていた例として上がる「文学」「エンタメ小説」「漫画」全てにおいて、最終的に社会的評価を勝ち取ったのは「大人たち」から見て評価できる作品を数多く生み出したからだ。
ライトノベルにそれができるかどうかが、ラノベの社会的評価を決めるであろう。
以上、3つの理由を挙げてみた。私が一般小説とラノベの両方を読んで感じた違いである。
異論、反論は大いにあると思うので、もし反論があるなら具体的な作品など教えてもらえば助かる(そういうラノベを読んでみたいので)。
最後に、ラノベに関しては批判する側が狭量、無理解であるという擁護が散見されるが、私はラノベは批判されて当然、だが面白い作品はいっぱいある、というスタンスだ。
上記点から言ってもラノベは「大人たち」からすれば物足りないものだろうが、私はこのラノベのような世界が好きだ。馬鹿にされようが好きだ。
それでいいのではないだろうか。
本当にYouTuberの収入は減少したのか?怪しい「隊長」のYouTuber議論
YouTuber(ユーチューバー)の1再生あたりの収入単価が減ったと話題になっている。
そして、山本一郎隊長がYouTuberの収入について記事を書いている。
YouTuberが儲からなくて大変らしいですね(山本一郎) - 個人 - Yahoo!ニュース
この記事は現在671はてブを獲得しており、大変勢いがあるようだ。
記事を読んで、そのまま内容を受け取った人も多いと思われる。
記事への批判的視点でのコメントが多いはてなブックマーク欄でも殆どの人が記事が正しい前提でコメントしている。
しかし、YouTuberの収益単価が下がったという点の根拠は、基本的にシバターというYouTuberのコメントだけとなっている。
では、このシバターという人物について見てみよう。
この動画を見ればシバターについてある程度わかると思う。
好きなことで、生きていく SHIBATAR YouTube TVCM - YouTube
「まず最初に言っておくと、YouTuberなんて職業は(ピー)です」
「(YouTuberの動画は)企業とタイアップして、良くもない商品を紹介しまくるステマ動画ばかりです」
「子供は、(ピー)で、CMが好きだから、CM動画にCMが貼ってある矛盾に気づいてませんが、はっきり言って、今の日本のYouTubeは、(ピー)動画ばかりです」
などと発言している。
この動画でわかる通り、かなり過激な言動で動画再生数を稼ぐタイプのYouTuberである。
特に過激な例として以下も紹介する。
最悪の本!HIKAKIN著「僕の仕事はYouTube」の内容がひどすぎる件について - YouTube
動画を再生しなくてもわかるが、トップYouTuberで知られるHIKAKINが出した本を燃やした動画をアップロードしている(動画のメインは本内容の批判)。
ちなみに、「紅くらげ」というニコニコ動画等で活動する人物がいるが、この人物が
ニコニコ生放送でイスラム教の聖典であるコーランを燃たやしたことについて「キ**イ」という言葉を使って批判した動画を上げたことがあった。
しかし、実際は紅くらげがコーランを燃やした事実はなく、ネットのガセに踊らされた結果となっている。
(現在は削除されているようだが、ニコニコ動画にいくつも転載されている。)
以上からもわかる通り、シバターは過激な言動を売りとしたYouTuberである。
今回の「収入激減」に関する話も、嘘とは言わないまでも実際より誇張していても何も不思議ではない。
この人物をソースに収入減を語るのは怪しい議論としか言いようがない。
隊長はこのあたりはうまくボカして断言は避けているとはいえ、
>YouTube側は広告料率がなぜ変更されたかについて公式な見解を出していないため色々な憶測を呼んでいますが、
この文章は広告料率変更を前提としているとみなされても仕方がないかと思う。
また、シバターの主張が正しいとしても、それを持って全YouTuberの収入が減ったかには疑問が残る。
なぜかというと、以下のような仕組みである可能性があるからだ。
Google Adsenseという広告のクリック数に応じて収入が入るクリック課金型の広告サービスがあるが、この広告は一般のブログにも貼り付けることが可能である。
このGoogle Adsenseにはスマートプライシングというシステムが導入されている。
スマートプライシングとは、簡単にいうと、広告効果の高低によってブログの広告収入を変化させる仕組みである。
このシステムによって、誤クリックを狙った広告配置にしたブログは、クリック数が多くなっても収入が減ることによりバランス調節がなされる。
YouTubeはGoogleのグループ会社であるため、YouTuberに対しても上記の仕組みが導入された可能性がある。
つまり、シバターの収入が減少したのは、広告料率が単純に下がったからではなく、シバター動画の広告効果が弱いため、減額された可能性があるということだ。
上記の動画を見てもわかる通り、シバターの動画はYouTuber批判など広告効果を弱める側面が強く、このような対応をされていてもおかしくはない。
もちろん、単純にYouTuber全員の広告料率が下がった可能性は十分あるのだが、すでに確定した事実として広まってきているようなのでこの記事を書いた。
事実誤認などあれば教えて下さい。