知性の限界――不可測性・不確実性・不可知性 書評
知性の限界――不可測性・不確実性・不可知性 (講談社現代新書)
、高橋 昌一郎著、読了後の感想。
前回の理性の限界に続き、様々な学者などの立場からのディベ-ト形式となっていて、全体的に読んでいて楽しい書籍になっているのは間違いない。
パスカルの、神を信じたほうが合理的という論理は面白かった。信じないけどね。
ファイヤアーベントの本来の主張(現状の視点・手法に拘るな)が事実なら、確かにそれほどおかしいことは言っていない。とはいえ、流石に確度を無視して学問と他の価値観を同列に置く議論はやや苦しい。「方法への挑戦」は哲学者・科学者に批判殺到だったそうだが、哲学にもケンカを売っていたのでは当然かもしれない。
哲学者の多くが、デリダやら権威ある哲学者の文章を引用しなければ論文が書けない、という皮肉も面白い。
ウィトゲンシュタインとポパーの論争も面白かった。
ただ、全体的には知ってる話が多かったかな。