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文章生成ファクトリー

読書記録など。

「金八先生」で炎上した理由。またはアドベンチャーゲーム論

3年B組金八先生 伝説の教壇に立て!」というゲームがある。

チュンソフトが2004年に発売したアドベンチャーゲームで、第9回「CESA GAME AWARDS」優秀賞を受賞するなど、高い評価を得ている。

 

と、まるでこのゲームを知っているかのように書いているが、私はこのゲームを未プレイである。にも関わらずこのゲームに関する記事を書こうと思ったのは、以下の記事が発端だ。

arrow1953.hatenablog.com

 

「サブカル 語る」という名のこのブログは、

「誰が買うんだこんなゲーム その2 -金八先生の体験ゲーム-」

というタイトルで今回のゲームを取り上げた。

作品を貶しているようにしか見えないタイトルである。

記事内容を見てみると、ゲームを全否定しているような内容では無いが、「売れなかった残念なゲーム」として最初からネガティブな先入観のもとで作品を語っていることがよくわかる。特に以下の文。

 このゲームの知名度を調べるため

3年B組金八先生 伝説の教壇に立て!」でYAHOO検索をしたら

ヒット数が50,200件だったのを見ると、あまり売れなかったんでしょう。

「売れなかったが名作」って主張だったり、「面白いのに宣伝やマーケティングに失敗して売れなかった残念な作品」って主張なら理解できる。

だが、この文章はただただ売上が少ないことをあげつらっているだけ(しかも後述するが実際は売れているゲームである)。

 

案の定、この記事には批判が殺到。このことへの弁解記事が以下になる。

arrow1953.hatenablog.com

内容は自己弁護に終始している。

 

まあ、結局上記の記事でも批判されて、さらに弁解を重ねたのが以下の記事になる(さすがに次の記事は無いので大丈夫。・・・今はまだ)

arrow1953.hatenablog.com

 

この辺への反論は以下の記事で十分語られているので省略する。

fujipon.hatenablog.com

 

ちなみに、「サブカル 語る」の筆者は馬鹿にする意図は無いと主張しているが、「誰がこんなゲーム買うんだ?」の第一回目は以下の記事で、完全に馬鹿にしている。

arrow1953.hatenablog.com

ゲームのタイトルも「THE カメラ小僧」。

タイトルからもうクソゲーが放つ特有の香りが漂っています。

初期のプレステのゲームじゃねーのか?と思うほどに

動きがとても不自然な・・・っていうかキャラの動きがカクカクして

表情がマネキンみたいな女の子がこちらを上目遣いで覗き混んでて気味悪い。

調べてみたら中古でそれなりに出回っているみたいなので

酔狂な人だったら金をドブに捨てる気持ちで遊んでみてもいいかも

この「誰がこんなゲーム買うんだ?」という企画は、タイトル通りに、馬鹿にする目的でゲームを紹介するものとして始まっている。

 

私の中のアドベンチャーゲーム

さて、本題に入る前に文章を使いすぎた。

読者の中には、「お前もゲーム未プレイなのに偉そうだな」と思われた方もいるかもしれない。

しかし、私はこのゲームについてまるっきり知らない立場ではない。

なぜなら、私は「チュンソフ党」の信者(チュンソフト作品の熱心なファン)だからだ。

チュンソフトのゲームは常に注目していたし、

弟切草

かまいたちの夜

街 〜運命の交差点〜

かまいたちの夜2 監獄島のわらべ唄

かまいたちの夜×3 三日月島事件の真相

428 〜封鎖された渋谷で〜

真かまいたちの夜 11人目の訪問者

極限脱出 9時間9人9の扉

極限脱出ADV 善人シボウデス

シレンシリーズ」

は全てプレイしている(わかる人にはわかるであろう、いくつかの抜けているゲームはプレイしようと思いつつもまだ出来ていない)。

私は、昔はともかく最近は殆どアドベンチャーゲーム(ADV)以外はプレイしていない。複雑なゲームに時間を割く元気がないのだ。

しかし、それゆえにADVについては思い入れが深いつもりだ。

チュンソフト以外が作ったADVについても目ぼしいものは目をつけプレイしているし、未プレイの名作ADVレビューを見ると期待(と少しの不安)でいつもワクワクする。

この「金八先生」も、プレイしたいとは思いつつもタイミングを逃していたゲームだ。だから今回の騒動をきっかけにプレイすることにする。この点は「サブカル 語る」の筆者に感謝する。ただ、筆者がこのゲームが評価されて欲しいと思って記事を書いたなんて絶対に認めないけれど。

 

アドベンチャーゲームと「サブカル」

彼(彼女?)は、「サブカル」を語った、のだろうか。

金八先生」はサブカルだろうか。

ゲーム全体をあえてメインカルチャーサブカルチャーに分けたなら、

メインカルチャーRPG・アクションなど

サブカルチャーアドベンチャーゲーム・シューティングなど

という分類がされるだろう。

アドベンチャーゲームは、確かにサブカルチャーだ。

でも、だからこそ、アドベンチャーゲームのファンはそれぞれ、アドベンチャーゲームに強いこだわりがあると思う。

そもそも、アドベンチャーゲームはマイナージャンルで、それゆえゲームの絶対的な本数が少ない。その中で、名作と呼ばれるゲームは本当に少なく、年に2~3本あれば豊作なくらいだ。

そこで、飢えをしのぐために名作ギャルゲーに手を出す人も多いのではないかと思う。

(ギャルゲーなんて疑似恋愛を楽しむだけの作品、と思っている人も多いだろうが、一部作品は本当にシナリオが素晴らしく、決してそこらの小説に劣るものではないのだ。Ever 17はジャンルこそギャルゲーとなっているが、間違いなく傑作の一つ。)

何が言いたいかと言うと、著者が思っているほど、このゲームはマイナーでは無いということだ。

 

アドベンチャーゲームの売上

私は、アドベンチャーゲームのコア層はせいぜい10万人程度と考えている。

つまり、普段アドベンチャーゲームなんてやらないような層がプレイしない限り、10万本を超える売上を出すことはできないのだ。

この、コア層の壁を乗り越えた「逆転裁判」ですら、初代の売上は10万に届いていなかったのだ(今は新作が出ると30万本くらいは行く、完全にコア層を抜けた作品になった)。

ネットで大騒ぎになり、大ヒットとなったシュタインズゲートも30万本越えくらい。

ダンガンロンパは1が25万、2が20万くらい。

ここから、私はアドベンチャーゲームの最大値はほぼ30万本と考えている。

ゆえに、アドベンチャーゲームで10万本は大ヒットで、30万本は(新作で言えば)5年に1度のクラス(神ゲー)なのだ。

日本に推定10万人ほどいるアドベンチャーゲームファンたちは、数少ない名作アドベンチャーゲームに飢えている。

だから、名作ゲームは、たとえプレイはまだしていなくても名前は知っているし、これからプレイしたい作品も多いし、何よりこのジャンルを愛しているのだ。

ゲーム性がない、紙芝居だ、一本道だ、そんな風に馬鹿にされたり、見下されたりしながらもこのジャンルにしがみついているくらい好きなのだ。

ただ、言わせて貰うとこのゲームはやはりマイナーではあります。

アドベンチャーゲームで10万本の売上げがある!とコメントしてくれた人も

おりましたが、確かにそのジャンルで10万本はヒット作ともいえます。

と書いているが、あなたは本当に、アドベンチャーゲームで10万本はヒット作のラインだと知ってたのか。

絶対に知らなかったと断言できる。

このゲームを、「アドベンチャーゲーム好きなら聞いたことがある名作ゲーム」を、「ネタ」にすることが「面白いんじゃないか」って認識でしか扱えないような人間がアドベンチャーゲームについて詳しいとは到底思えない。

自分が知らなかったにも関わらず、知っていたかのように振る舞うのはあまり好きではない。

金八先生の放映されていた1980~2011年の平均世帯数は3500万件~5000万件。

平均世帯人数は3人~2.5人。ドラマの視聴率は最低10%前後~最大で40%前後。

これらを考えても全シリーズ通じて延べ5000万世帯、国内で1億人近くの人が

このドラマを知ってると思っていいと思います。その数を考えると

いくらソフトの売上げ本数が10万本あっても多くの人は買っていない。

或いはゲームの事を知らない。納得できない人は身の回りでこのゲームを

知っているかを尋ねてみて下さい。

10人のうち多くて1,2人程度がゲームを知っている程度だろうと思います。

当たり前である。アドベンチャーゲームのリーチが最大30万なのに、ドラマのリーチと比較すること自体がアドベンチャーゲームを理解していない証拠だ。

著名人とコラボしてもこの限界はほぼ変わらない。

PSPの「AKB1/48 アイドルと恋したら…」というゲームは40万本売れたが、ゲームとシナジーが高いであろう、ファンが数多くいるAKBですらこの売上が限界なのだ。

 

そもそも、アドベンチャーゲームに限らず、実写(著名人)とゲームは相性が悪く、実写ゲームで評価が高いゲームはごくわずかだ(だから、ゲーム「街」も名作である割には売上は大きく伸びなかった)。

私もそうだが、アドベンチャーゲーム好きはむしろそういうタイアップのイロモノを不安視するので、「3年B組金八先生 伝説の教壇に立て!」は、金八先生ブランドが足を引っ張った可能性は大いにある(その点は著者の指摘の通り)。

でも、だからこそ、むしろタイアップものでこれだけ売れて、未だに名作と評価されているものを、ただただ売上を減じた原因である、短絡的な印象そのままで語る行為に、浅はかさしか感じられなかったのだ。

 

炎上の原因

私は、今回の炎上の原因は、「やってもいないゲーム」を「検索結果と動画」のみで「馬鹿にした」ことではないと思う。

現に、「誰がこんなゲーム買うんだ?」の第一回目記事は炎上していない。

実際はより正確に言うなら、「アドベンチャーゲーム」という、「筆者にとってはマイナーでも、ファンが根強いジャンル」の「名作として名高い作品」を浅はかに「ネタ」にしたことが原因と言っていいだろう。

未プレイでネタにしたFF、ドラクエだったら、批判も起きるだろうが、同意する人も多いのではないか。なぜなら、FF、ドラクエはコア層以外にリーチしすぎた結果、本来は対象でないユーザーもプレイし、結果多くのアンチを生んでいるからだ。

名作アドベンチャーゲームには、殆どそれがない。アドベンチャーゲームは基本的にコア層しか買わないため、それほどターゲットがブレない。だから、私は名作とされるアドベンチャーゲームは殆ど全て楽しめた。中には楽しめなかった作品も無いではないが、それでも評価される理由は納得できることが殆どだ。

だから、名作アドベンチャーゲームにはアンチが少ない。評価が高まれば必然的にアンチは現れる(本来のターゲット以外に届くから)が、それでもアンチがあまり出てこないのは、コア層の支持が厚いからに他ならない。コア層以外のプレイヤーが大多数であるFF、ドラクエとは大きく違うのだ。

 

最後に

筆者が、これからもサブカル語りを続けたい、しかも内容を知らないにも関わらず語りたいと言うなら止めはしない。

そういう芸風ならそれはそれでありだろう。

ただ、もしサブカルにリスペクトがあるのなら、そのサブカルチャーにおいて「名作」との評価が高い作品を「一般人にとってはマイナー」という理屈でネタにするのはやめた方がいいと思う。

正直なところ、アドベンチャーゲーム界に置いてもクソゲー扱いされているゲームに関しては、馬鹿にした未プレイレビューをしてもそう叩かれはしないと思う(code_18とか四八(仮)とか。まあこれも叩かれすぎて可哀想な気はする)。

ただ、やはり未プレイレビューは底が浅いと思われるリスクは覚悟しなければ続けられないんじゃないかな。

 

以上。

 

ついでに

azanaerunawano5to4.hatenablog.com

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