本当にYouTuberの収入は減少したのか?怪しい「隊長」のYouTuber議論
YouTuber(ユーチューバー)の1再生あたりの収入単価が減ったと話題になっている。
そして、山本一郎隊長がYouTuberの収入について記事を書いている。
YouTuberが儲からなくて大変らしいですね(山本一郎) - 個人 - Yahoo!ニュース
この記事は現在671はてブを獲得しており、大変勢いがあるようだ。
記事を読んで、そのまま内容を受け取った人も多いと思われる。
記事への批判的視点でのコメントが多いはてなブックマーク欄でも殆どの人が記事が正しい前提でコメントしている。
しかし、YouTuberの収益単価が下がったという点の根拠は、基本的にシバターというYouTuberのコメントだけとなっている。
では、このシバターという人物について見てみよう。
この動画を見ればシバターについてある程度わかると思う。
好きなことで、生きていく SHIBATAR YouTube TVCM - YouTube
「まず最初に言っておくと、YouTuberなんて職業は(ピー)です」
「(YouTuberの動画は)企業とタイアップして、良くもない商品を紹介しまくるステマ動画ばかりです」
「子供は、(ピー)で、CMが好きだから、CM動画にCMが貼ってある矛盾に気づいてませんが、はっきり言って、今の日本のYouTubeは、(ピー)動画ばかりです」
などと発言している。
この動画でわかる通り、かなり過激な言動で動画再生数を稼ぐタイプのYouTuberである。
特に過激な例として以下も紹介する。
最悪の本!HIKAKIN著「僕の仕事はYouTube」の内容がひどすぎる件について - YouTube
動画を再生しなくてもわかるが、トップYouTuberで知られるHIKAKINが出した本を燃やした動画をアップロードしている(動画のメインは本内容の批判)。
ちなみに、「紅くらげ」というニコニコ動画等で活動する人物がいるが、この人物が
ニコニコ生放送でイスラム教の聖典であるコーランを燃たやしたことについて「キ**イ」という言葉を使って批判した動画を上げたことがあった。
しかし、実際は紅くらげがコーランを燃やした事実はなく、ネットのガセに踊らされた結果となっている。
(現在は削除されているようだが、ニコニコ動画にいくつも転載されている。)
以上からもわかる通り、シバターは過激な言動を売りとしたYouTuberである。
今回の「収入激減」に関する話も、嘘とは言わないまでも実際より誇張していても何も不思議ではない。
この人物をソースに収入減を語るのは怪しい議論としか言いようがない。
隊長はこのあたりはうまくボカして断言は避けているとはいえ、
>YouTube側は広告料率がなぜ変更されたかについて公式な見解を出していないため色々な憶測を呼んでいますが、
この文章は広告料率変更を前提としているとみなされても仕方がないかと思う。
また、シバターの主張が正しいとしても、それを持って全YouTuberの収入が減ったかには疑問が残る。
なぜかというと、以下のような仕組みである可能性があるからだ。
Google Adsenseという広告のクリック数に応じて収入が入るクリック課金型の広告サービスがあるが、この広告は一般のブログにも貼り付けることが可能である。
このGoogle Adsenseにはスマートプライシングというシステムが導入されている。
スマートプライシングとは、簡単にいうと、広告効果の高低によってブログの広告収入を変化させる仕組みである。
このシステムによって、誤クリックを狙った広告配置にしたブログは、クリック数が多くなっても収入が減ることによりバランス調節がなされる。
YouTubeはGoogleのグループ会社であるため、YouTuberに対しても上記の仕組みが導入された可能性がある。
つまり、シバターの収入が減少したのは、広告料率が単純に下がったからではなく、シバター動画の広告効果が弱いため、減額された可能性があるということだ。
上記の動画を見てもわかる通り、シバターの動画はYouTuber批判など広告効果を弱める側面が強く、このような対応をされていてもおかしくはない。
もちろん、単純にYouTuber全員の広告料率が下がった可能性は十分あるのだが、すでに確定した事実として広まってきているようなのでこの記事を書いた。
事実誤認などあれば教えて下さい。