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「読む哲学事典」「読書進化論」「現代中国の禁書」 書評

「読む哲学事典」「読書進化論」「現代中国の禁書」読了後の感想。

田島正樹「読む哲学事典」は、反実在論的な、様々な哲学的テーマについて概説した事典。ややわかりづらいところもあるが、概ね分かりやすく、哲学の様々なテーマに触れられる。ただ、全く予備知識のないテーマは難しい。まあ、哲学の基礎知識を増やすために読んだのでこんなものだろう。

勝間和代「読書進化論」は、勝間の宣伝本。

有名な著者なので読んでみたが、自分の本の宣伝が本文中にやたら出てくる。おかげで著者の他の本の名前がある程度記憶に残ったくらいだ。読書の方法と本の売り方を解説するという、対象読者の「リーチ」が広そうな著作であるが、内容がどうあれ本が売れればそれでいいとも取れる書きぶりである。著者の戦略はよくわかるし、なんとなくやる気になるところもあるが、いかんせん自分の本売れましたアピールが激しいし、本の内容としては薄いと言うしかない。ここまで自著の宣伝過剰な新書は見たことがない。勝間和代という人間を知るにはいい本であったが、この著者の他の本を読みたいとは思わない。

 

鈴木孝昌(たかよし)「現代中国の禁書」は、2000-2005年頃の中国で起きた禁書事件に関する本。対象は、親日、極端な反日、農民の悲惨な実態、SARS、性、共産党批判など。SARSについては、共産党が被害者数を隠したことが問題となっているので、実質的に共産党批判の一部と見るべきかもしれない。

結局、全ては中国の現状を変えようとする激しい動きへの弾圧と見て取れる。胡錦濤江沢民と同じという意見もあった(現在のトップは習近平)。

中国の弾圧事情が整理できる本だった。