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「データの罠」 「子どもが減って何が悪いか!」 「UFOとポストモダン」 書評 

「データの罠」 「子どもが減って何が悪いか!」 「UFOとポストモダン」読了後の感想。

田村秀(しげる)「データの罠 世論はこうしてつくられる」は、データの読み解き方のついての本。特に、統計データはかなり意図的にデータを作り出すことが出来るので、注意して読まなければいけないということを説いている。統計上の注意の話は面白いのだが、私自身が関心があってすでに見聞きしていた話も多かった。また、グラフの注意の話はなかったが、まあそれは別の本にあるからいいか。

赤川 学「子どもが減って何が悪いか!」は、少子化問題について思い切った主張を行う。まず、現代社会において少子化は避けられない問題であるということ。また、男女共同参画によって少子化が解決するという主張には無理があるということ。しかし、男女共同参画自体に反対なのではなく、「男女共同参画は、それはそれとして推進されるべきことがらであり、仮にそれによって出生率が下がることがあったとしても、なお推進する価値がある」としている(Amazonレビューより借用)。少子化問題に対する、一つの視点として重要であろう。

木原善彦「UFOとポストモダン」は、UFOをめぐるアメリカの言説をたどりながら、アメリカの思想の変遷を追っていくような内容になっている。もちろん、UFO肯定論ではない。しかし、本質的に、時代区分の仕方も含め、恣意的で根拠薄弱な印象は拭えない。書籍として薄いせいもあるのだろうが、やはりポストモダン的方法の困難さを感じる。