ポストモバイル 書評
ポストモバイル 岡嶋裕史著、読了。
モバイル社会の後に何が来るのか、現在の最先端の技術などを紹介しながら綴る。これから、ITは現実世界を書き換えて行く、それは確定している、といった論調。
著者は、いずれアクセス用のデバイスは無くなるだろうと予測しているようだが、果たして現実的な予測か、疑問が残る。
また、AR技術などを多く紹介していて、それは確かに現実を変える部分なので理解できるが、おたく文化と絡めた部分はどうだろうか。
おたく文化の方は、まだまだ試作段階の凄い技術すらほとんどないし、現実が追いついて来るのは遠そうだ。まあ、この本は未来予測を描く本なので、それがいつ来るかは問題で無いのかもしれない。
デジタルサイネージを紹介しているあたりで、監視社会への警告じみたことを書いていて、そこで「近年の監視社会は、利用者側が喜んで情報を提供するという特徴がある」といったことが書かれているが、これは、むしろ利用者側が喜ぶような形でない限り、そのような手法は認められないといった方が適切ではないかと思える。