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テレビの日本語 加藤昌男著 書評

テレビの日本語 、加藤 昌男著、読了後の感想。NHKアナウンサー出身の加藤昌男氏が、テレビに出てくる日本語の変遷を語る。NHK出身らしく、日本語の乱れを憂いたり、どんどん字幕テロップが画面中に埋め尽くされ、!や?を多様するようになり、「饒舌」になっていくテレビについて、批判的に取り上げている。 テレビが饒舌になっていく過程をある程度検証しているため、確かに変化していることは認められる。理由としては、技術革新と、熾烈な視聴率競争によりどんどん視聴率が取れるように画面が派手になっていったといったところだろうか。このあたりはなかなか面白かった。

しかし、もはや慣用表現として定着してしまった感のある「痴漢は立派な犯罪です」のような表現に対して「犯罪に対して立派とつけるのはおかしい」と言ってみたり、台風中継にて「危険ですから外に出ないで下さい」と言いながら外に出ているキャスターに突っ込んだり、間違ってはいないがやや杓子定規感のある批判も多かったように思う。まあ書名からして、おかしな日本語に突っ込むようなことが必要だったのだろうが。また、アマゾンレビューでも反論があったが、アナウンサーのアクセントが平板になっていていけない、という点に関しては全くピンとこなかった。文章じゃ伝わりづらい部分かもしれないが、根本的に、アナウンサーのアクセントが平板で困った記憶がないので、あまり説得力が感じられなかった。