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「思考停止社会」「現代思想の冒険者たち デリダ 脱構築」「疑う技術」 書評

「思考停止社会」「現代思想の冒険者たち デリダ 脱構築」「疑う技術」読了後の感想。

郷原信郎「思考停止社会~「遵守」に蝕まれる日本」は、コンプライアンスが日本を滅ぼすとした本。

マスコミに「法律違反」「偽装」「隠蔽」「改竄」「捏造」というレッテルを貼られると、一切の弁解・反論が許されず、実態の検証もないまま、強烈なバッシングが始まる。教条主義的にルール違反が起こるたびに過剰にバッシングすることは世の為にならないという視点は、大切。しかし、大手企業の不正追求はなかなか行えないマスコミの特徴を考えると、極端な一点集中砲火はともかく、不正発覚前の追求はしっかり行うべきとも思える。

「現代思想の冒険者たち デリダ 脱構築」は、デリダ思想の解説本。有名な現代思想の冒険者たちシリーズ。

デリダはイメージと違い、科学批判も、権力への過剰な嫌悪感もないようだった。ロゴス主義批判を行なっているが、ロゴス主義=パロール主義(会話主義)ということで、アリストテレス以来のエクリチュール批判へのカウンターとしてのロゴス主義批判であって、決して非合理主義でも非近代主義でも無いように思える。あくまで、発想の読み替えとしての脱構築を提唱した点がポストモダン的なのであろう。

藤沢晃治「疑う技術」は、物事を疑うための基本を教える本。私はこういう思考の前提となる情報を知るための本は好きでよく読むせいか、知っていることが多く、ざっと読みして1時間ちょいで読めた。まあ、こういう本を読んだことがない人にはいいんじゃなかろうか。