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トクヴィル 現代へのまなざし 書評

トクヴィル 現代へのまなざし」富永 茂樹著、読了後の感想。

保守主義と民主主義の中間ほどの立ち位置で考察するアレクシス・ド・トクヴィル。平等思想は他者への羨望を生み、階級社会と違い上に上がれるという希望がある分、永遠に自分の実力の不足に絶望しつづける。辿りつける可能性があるだけに、その絶望は、最初から不可能という状況よりもはるかに大きい。そんな、民主主義、平等思想の社会へ移行する歴史の流れを批判的に、しかし完全に拒絶することなく考察したトクヴィル

この人がアメリカを見て自由主義と平等思想が両立すると知り、自由民主主義を見出した、という経緯については、本当に考えとして正しいのか謎であるように思える。

しかし、トクヴィルの思想は、今でも価値を失っていないようだ。