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ジャーナリズムの可能性 書評

「ジャーナリズムの可能性(原寿雄)」読了後の感想。

理想主義的、反政府的ジャーナリズムのあり方を延々と語る。基本的に過去の著書である「ジャーナリズムの思想」から内容は変わらず。最近の事件も取り入れてるが、それだけで、ネット時代の犯罪等への考察は皆無。ネットに負けないジャーナリズムを、という程度。この人は基本的に政治畑の記者なんだろうが、政治事件の話が殆どで、一般的な事件に関する報道については、メディアスクラム、スタンピード現象で批判されないためにも控えるべきという程度の意見で、あまり興味が無いように見える。また、事件そのものより、警察・検察・裁判への反抗心の方が前に出ているので、具体的な事件例もあまりない。さらに言えば、公権力以外の権力への批判は温い。前回の著書と印象が変わらないし、この人の本はもう読まなくてもいいだろう。