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50年前の憲法大論争 書評

50年前の憲法大論争 (講談社現代新書): 保阪 正康著、読了後の感想。

50年前の議論であるが、内容としては今と殆ど変わらない改憲論争が楽しめる。このテーマの議論の本質は全く変化してないようだ。
政治家と法律学者が議論するような形式で、政治家はなんだかんだいっても頭がいいということもわかるし(官僚がブレーンにいるのかもしれないが)、学者はやはりその上をいっていることもよくわかる。また、政党によって主張が真反対なのがはっきりしているのも面白い。
学者が戦前には戦争肯定に至ったのに戦後変節して戦争否定に回ったと批判されるシーンがあるが、それは酷ではないかと同情した。当時は反対できない空気だったろうし、弾圧もあったわけだから、そこを批判するのは議論のやり方として正当とは思えない。今はこの問題は起きにくいのが幸いだ。