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「日本の労働時間は世界15位と低い」の謎を解く

日本人は働き過ぎでないという、誤解だらけの上記記事が話題になっている。

 

上記記事に対する反論記事として以下が出てきた。

全ての項目について反論しており、私からはほぼ付け加えることはない。

ただし、日本の労働時間がOECD調べで15位である点についての説明が不足している。

 

 

http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/n/nyaaat/20160228/20160228112827.jpg

id:nyaaatさんの記事より画像を引用させて頂いた。

日本は労働時間が世界15位だが、サービス残業を含めると少なくとも5位になるとしている。

しかし、サービス残業に関して、日本にしか存在しないというわけではない以上、5位であるという主張は無理がある。

 

では、日本は労働時間に関しては長いとは言えないのか?

そんなことは無い。

以下のサイトからデータを参照する。

http://ameblo.jp/kokkoippan/entry-11837898927.html

すると、2014年のOECD調べにおいて、日本の男性労働時間は、OECD26カ国で世界一位となっている。

日本の男性の休日も含んでの1日当たりの平均労働時間は375分で、OECD26カ国の中で最長です。26カ国平均の259分より116分と2時間近くも長く日本の男性労働者は働いているのです。一番少ないフランスの173分と比べると日本の375分は2倍以上もの長時間労働となっています。

 

OECD公式データはこちらを参照。

http://www.oecd.org/gender/data/balancingpaidworkunpaidworkandleisure.htm

 

また、以下のサイトを参照すると、日本女性の労働時間・学習時間は16位であることがわかる(男性はやはり1位)。

こちらもOECD加盟国ランキング2014年版データである。

http://memorva.jp/ranking/world/oecd_paid_work_unpaid_work_2014.php

順位 国名 女性の
有償労働・学習時間
(分)
  順位 国名 男性の
有償労働・学習時間
(分)
1 中国 291   1 日本 471
2 韓国 273   2 メキシコ 468
3 スウェーデン 269   3 韓国 422
4 カナダ 267   4 インド 391
5 オーストリア 249   5 中国 390
6 エストニア 248   6 ポルトガル 372
7 スペイン 246   7 オーストリア 365
8 アメリカ 242   8 トルコ 360
9 スロベニア 234   9 アイルランド 344
10 メキシコ 233   10 カナダ 341
11 ハンガリー 232   11 ニュージーランド 338
12 ポルトガル 231   12 スペイン 334
13 南アフリカ 215   13 ハンガリー 327
14 ノルウェー 214   14 エストニア 326
15 フィンランド 210   15 南アフリカ 325
16 日本 206   16 スウェーデン 322

 

日本は、男女平等度ランキングにおいて非常に低い順位であることが知られている。

世界経済フォーラム(WEF)の2015年版「ジェンダー・ギャップ指数」で、日本は調査対象145カ国のうち101位だった。

日本においては女性が正社員でなく、パート・アルバイトで働いている割合が高い。

その結果、男女を含めた労働時間ランキングでは15位と、一見それほど多く働いていないように見える。しかし、男女別のデータを見れば、それはサービス残業の概念を入れるまでもなく誤りであることが分かるのである。

 

以上。