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「こんにゃくの中の日本史」「テレビ進化論」「アナロジーの罠 フランス現代思想批判」 書評

「こんにゃくの中の日本史」「テレビ進化論」「アナロジーの罠 フランス現代思想批判」読了後の感想。

武内孝雄「こんにゃくの中の日本史」は、こんにゃくに妙にこだわった一冊。講談社現代新書で、この何を語るんだといった狭いテーマのタイトル。思わずつられて手にとってしまった。内容が内容だけにざっと読んだだけだが、風船爆弾の話は面白かったし、こんにゃくを馬鹿にしながらも褒めるといった、著者のスタンスが面白い。ニッチさを狙った本としては成功しているんじゃないだろうか。

第1章 こんにゃくの神様

第2章 維新とこんにゃく

第3章 南牧村こんにゃく記

第4章 戦争とこんにゃく

第5章 こんにゃくの王国

第6章 こんにゃくの行方

この目次だけでなぜか笑えてくるのがこの本の凄いところ。

境 真良「テレビ進化論」は、テレビの未来を語った本。著者は初の著書となる。テレビとネットメディアの連携融合についてのビジョンや、どうやってこれからのテレビはやっていくべきかの提案などを行なっているのだが、果たして現実的にどこまで起こりうるかは、この本ではあまりわからなかった。

ジャック・ブーヴレス「アナロジーの罠 フランス現代思想批判」は、フランスのポストモダン思想の問題点を指摘し、批判した本。「知の欺瞞」をベースにした批判である。曖昧な用語法による比喩を多用することは、議論を混乱させるだけである。私はポストモダン思想に正直嫌悪感があったので、このような本には大変共感してしまうのだが、できれば今後ポストモダンの中のいい部分も拾い上げることもしたい。