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「株のからくり」「タブーの正体」 書評

「株のからくり」「タブーの正体」読了後の感想。

奥村宏「株のからくり」は、株の仕組みを解説するだけでなく、現代の株式周辺の動きを苛烈に批判した本。私は株の仕組みを知りたくてこの本を読んだが、思いの外株式会社や金融関係の制度、会社の批判が多く、驚いた。株式会社の理念を曲げている会社の株式交換は不正であるとか、初めて聞くような批判の仕方もあり、新鮮であった。それにしても、金融業界ほど批判一色の業界も無いのではないかと思うくらい、どの本でも金融業界はバッシングされている。マスコミ関係なら批判も激しいが、擁護するような本も多いが、金融業界も大変である。

川端幹人「タブーの正体!」は、噂の真相に関わっていた著者が、日本マスコミに存在するタブーについて語る本。警察のタブーなんて散々不祥事が報道されているじゃないかと思っていたが、やはりトップに近い人間のスキャンダルは公表されにくいようだ。他に、天皇タブー、右翼タブー、芸能のタブー、企業のタブーなど、ひと通りのタブーについて触れている。構造的にマスコミがこのタブーを破ることが難しいとするなら、報道に明るい未来などあるのだろうか、と読んでいて絶望感を覚える本だった。ただ、改めて、そのような構造を意識して報道を見ることが必要であると理解した。