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「ウィキペディア・レボリューション」書評

「ウィキペディア・レボリューション」読了。400ページ超えの大著。

ウィキペディアの歴史がたっぷりと詰まった一冊。

順調に成長しているように見えるウィキペディアが、裏でいかに苦労を重ねながら成長してきたかがわかるものとなっている。

技術的な苦労と解決についての話は、理系の人間としては大変興味深かった。やはり、プログラミングの凄さが実感できる。

中国語のウィキペディアでは言語に広東語、上海語などの方言が多く、また簡体字繁体字の使い分けが難しかったので、ページごとに記述内容がバラバラになっていて、編集している人たちはずっと悩み続けていたが、一人のプログラミングができる人間が登場すると、あっという間に解決してしまった。簡体字繁体字を変換するシステムと、一括変換では上手くいかない大量の部分は変換辞書のページを作り、集合知に任せるというやり方が見事だった。しかも、このプログラミングは中国語ローカルな作りでなかったため、他の国の同様の問題にも使えたというのも見事な話だ。

 

他にも、ウィキペディアに関する面白い話が多くあって、思いの外読み応えのある本だった。