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「神社の系譜」「日本はなぜ地球の裏側まで援助するのか」「考えあう技術 教育と社会を哲学する」 書評

「神社の系譜」「日本はなぜ地球の裏側まで援助するのか」「考えあう技術 教育と社会を哲学する」読了後の感想。

宮本健次「神社の系譜」については、この本の要点である、神社と自然暦との関係についてはわかった。  ようは、重要神社の夏至、冬至、秋分・春分の日の出、日没の方角に、他の神社、山、遺跡他の有名地点があるという位置関係になっている。このルールによって様々な神社の配置場所を決定している、というのがこの本の趣旨。この主張が妥当であるかどうかは判断できないが、面白い観点ではある。1章の怨霊の話(神田神社、平将門上御霊神社(かみごりょう-)、早良親王北野天満宮菅原道真。)はおまけも同然だ。  

草野厚「日本はなぜ地球の裏側まで援助するのか」は、ODAの話。ODA推進派の立場に著者は立っているが、必要性の主張は情緒に訴えるのでなく、国連の投票などでアフリカ票を取るためにも援助を、と合理的な主張もしていて説得力がある。

マスコミのODA報道は表面的であると批判もしている。

 

苅谷剛彦西研「考えあう技術 教育と社会を哲学する」は、著名な教育社会学者と哲学者による、教育についての対談形式の本。イマイチ印象に残っていない。あまり、哲学と教育論が有効にマッチしていた印象はない。まあ、特に悪い印象もないので、割りと普通に語っていたのかな。ポストモダンの思想では社会は混沌としてしまうという指摘は、その通りであると思う。