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ラカン (ちくま学芸文庫) 書評

ラカン (ちくま学芸文庫)、フィリップ ヒル著、読了後の感想。

イラストをふんだんに使いながら、精神分析家ジャック・ラカンの思想をたどる、面白い本。精神分析学ほど怪しい学問はないと思っているし、ラカンの思想は難解で有名だが、この本はイラスト含め分かりやすく紹介しているので、なんとか読み通せた。

ラカンは発言に変遷があるらしい上に無駄に高度な専門用語が多用され、内容を読み取るのが困難で全ての思想を理解出来ている学者はいないと言われているそうだから、この本でのラカン理解も問題があるのだろうが、全ての思想が理解不能なら、多少語弊があっても門外漢のレベルでは用は足りるだろう。もう少しラカンを知りたくなったら、「ラカンの精神分析」でも読めばいいだろう。

ラカンの思想は科学的には怪しいが、思想としては人生の指針になるというか、励まされる部分もあるように思えた。

読んだのがかなり前で、忘れてしまった部分が多いので、また今度興味が出たら「ラカンの精神分析」でも読んでラカンのことを思い出そうかと思う。